じゅりーの迷える日々

解離性障害とともに生きているアラサーの雑記

「絵本作家のぶみ」について思うこと

 

こんにちは。じゅりーです。

8月も半ば、今年もはちゃめちゃに暑いですね。お体の調子はいかがですか?私は夏が苦手なので、この時期はインドアに過ごすに限ります。たとえばそう、ブログを書いたりとかね…?(ドヤ)

さて、冗談はさておき早速本題。今回は、 賛否両論ある絵本作家の「のぶみ」氏について、虐待サバイバーである私の視点から率直に思うことを書き綴りたいと思います。

 

 

「絵本作家のぶみ」とは?

まず、「のぶみ」をご存じない方のために簡単にプロフィールをご紹介しておきますね。<サンマーク出版公式サイトから引用>

絵本作家。1978年、東京都生まれ。大ヒット絵本『ママがおばけになっちゃった!』『さよなら ママがおばけになっちゃった!』(講談社)をはじめ、『あたまのうえのかみさま』『サンタパスポート』(小社)、『おこらせるくん』『いのちのはな』(KADOKAWA)、『しんかんくん』シリーズ(あかね書房)、『おひめさまようちえん』シリーズ(えほんの杜)、『ぼく、仮面ライダーになる!』シリーズ、『よわむしモンスターズ』シリーズ、『トッキュウジャーかぞく』シリーズ(以上、講談社)など160冊以上の絵本を出版。

 『ママがおばけになっちゃった!』???と思う方もいらっしゃるでしょう。こちらはタイトルの通り、母親が冒頭に交通事故で亡くなり、ひとり残された子どもの話です。もう危ない感じが伝わりますよね、わかります。

ちなみに、のぶみ氏自身の公式サイトのプロフィールでは、

小学生の時にいじめによる自殺未遂を二回。
高校生の時に池袋連合総長。
実家は、キリスト教の教会。
専門学校の頃に現在の奥さんのために絵本を始める。

絵本作家のぶみの最新プロフィール

いじめられっ子から「暴走族の総長」、そして絵本作家になられたのだそうです。まさに絵本にできそうな、随分とストーリー性のある人生を歩まれているのですね。羨ましい限りです。

 

何が問題になっているのか

冒頭に「賛否両論ある」と書きましたが、のぶみ氏はその作風と自身のSNSでの発言などから、絵本作家には珍しく炎上を繰り返している作家であります。

たとえば、前述しました母親が交通事故で亡くなる場面から始まる『ママがおばけになっちゃった!』。私も読んでみましたが、死をあまりに軽率に取り扱い、子どもに母親不在の恐怖心を与えるのみで、ここから子どもに何を学ばせる気なのか?と疑問が残りました。

この絵本については、アヤパーントゥ(@tachimimi_makio)さんが分かりやすく漫画にしてくださっていますので下記をご覧ください。

※掲載許可いただいています。ありがとうございます!

 

そして何より、この記事を書いた理由にもなりますが、彼の最大の問題点、そして最大の罪は「胎内記憶」や彼自身の歪んだ母親像を絵本という形で世の中に流布し、親子関係に問題を抱える人や子育てに悩む人たちを不安にさせていることだと思います。

「胎内記憶」については別の記事でも言及していますのでそちらをご覧いただきたいのですが、簡単に説明しますと「子どもは母親のお腹の中にいたときや、その母親の胎内に入るまでの過程を記憶している」という説のことです。

虐待サバイバーから、「胎内記憶」への批判 - Julieの迷える日々

すでに「胎内記憶は存在しない」ことが証明されているため、ここではそれを前提に、のぶみ氏の作品や彼の唱える「胎内記憶」が、私のような虐待被害者や育児や不妊治療に励む女性たちにどのような印象を与えるのか、個人的に思うことをまとめてみました。

この他にも経歴詐称問題や病気に対する考え方など様々に危ない部分があるのですが、網羅は難しいので詳細に知りたい方は記事終わりのリンクをご参照ください。

 

描く親子関係の“いびつ”さ

彼の作品を何冊か読んでみて(安心してください、買ってません)、一番最初に思ったことが「子どもをどんな存在だと思っているのだろう?」でした。

胎内記憶布教用絵本『このママにきーめた!』では、子どもたちは空の上から母親を見ており、その様子から「どのママのおなかに入るか決める」というようなことが書かれています。

のぶみ氏は「あとがき」に

おなかのなかの記憶がある子どもたちに会って描いた絵本です。
ビックリしたのは、「なんで産まれてきたの?」ってきくと「そんなのママをよろこばせるために決まってるじゃん!」と全員がいうことです。 

このように書いていますが、そもそも人間は母親を喜ばせるために生まれてくるものなのでしょうか?勝手にこの世界に産み落とされたうえに「私を喜ばせてね」なんて、横暴もいいところではないでしょうか。

彼がインタビューしたと言っている「胎内記憶を持つ子どもたち」が何人いるのか知りませんが、全員が「ママを喜ばせるために」産まれてきたなんて、私と違ってよほど自己犠牲的精神に溢れているのでしょう。絵本の題材に選ばれるのも納得です。

 

こちらはすでに投稿を削除したようですが、7月29日には、「どんなツライ目に合う子も、それすら決めて地球に来る」「なぜならその子は、その親を喜ばせたかったから」と発言。

ここまでならまだ許せますが、終いには「その親が精神的に成長するなら、自分の命でも捧げる!」と…これ聞きようによっては「親は子どもに何してもいい、最悪殺してもいい」ってことになりませんか?私の両親のような虐待する親たちは、子どもを殴ったことで少しでも成長したのでしょうか。私たちはそのために生を受けた、ナチュラルボーンサンドバッグってことですか?

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また、のぶみ氏は特に流産や不妊について強い偏見があり、その原因はすべて母親にあると思わせるような発言を多々しています。

たとえば、胎内記憶のある子どもから聞いたと責任転嫁的な前置きはしていますが、「パパとママがケンカしてたから一旦お空に帰った(流産した)」けど、「ママとパパが悲しんでまた仲良くなったからお腹に入った」など。子どものいない私が聞いても、もはや当人も二児の父親とは思えない、思慮の浅く聞いた人の感情をまったく考慮できていない発言だと感じます。

仮に本当に胎内記憶のある子どもから聞いた話だとして、世に広める前に適切なフィルターをかけるくらいの配慮はあって然るべきだと思うのはわがままでしょうか?

 

母親に対する強烈なコンプレックス

のぶみ氏の作品のほとんどに共通するのが、「母親」という存在の役割に対する過剰なまでの期待です。これらがもはや固定観念的にどの作品にもにじみ出ており、それが世の人の反感を買う一因になっているのは、彼の作品を手に取ったことのある方ならお分かりかと思います。

ある時は働くママに「子どもに構ってあげないから、あの子が熱を出すんだわ」と思わせたり、ある時はFacebookで「おかあさんだからって我慢していること」を募集して歌にしたり…のぶみ氏の作品ほとんどは、子供向けのはずなのに基本的に主人公が母親で、その母親が子どものために自分を犠牲にして、泣いて、わめいて、子どもから赦しを得て、最終的には「あたし、この子のためにがんばる!」となるのが大筋なのです。

 

ここからは私の憶測ですが、このテンプレートはおそらく、のぶみ氏の理想の母親像なのでありましょう。のぶみ氏自身がご両親…特にお母様に、年齢にふわさしくないほどの大きなコンプレックスを抱えているのではないかと感じます。

公表プロフィールによると、ご両親はキリスト教の牧師さんだということですので、そのお仕事の関係で幼少期に寂しい思いをしたことがあるのかもしれませんね。もっとかまってほしい、ほめてほしい、甘えたい、と感じることもあったはずです。

ですが大抵の人は成長するにつれて感情の処し方を覚え、両親を許す、カウンセリングに行くなどして対処の仕方を学ぶはずですが、のぶみ氏はそのステップを踏み忘れているのだと思います。

おそらく、私以外にも同様の指摘をした人がいるはずです。現に彼のFacebookInstagramには、投稿があるたびに批判や指摘のコメントが入っています。ですがのぶみ氏には批判や指摘を真摯に受け止める成熟した精神性も、クリエイティブな仕事に関わる人に必要な「傾聴する力」も持ち合わせていないようなので、まったく心に響かないのだと思います。

Amazonで絵本の評価に★1がつくと「アンチがいじわるする><」、Facebook不妊治療中の母親からコメントがつけば「別の絵本も読んでね^^」…どうやら受信機がぶっ壊れているようで、彼の所業を不安視した一般人からのコメントが彼の耳に届くことはありません。

人の意見を聞かず、傲慢で誇大妄想的。あれ、これって自己愛性パーソナリティ障害の特徴だったような気がするな…?

自己愛性パーソナリティ障害(NPD) - 08. 精神障害 - MSDマニュアル プロフェッショナル版

 

何のために絵本を描いているのか?

ここまで書いてみて、ふとテッド・バンディのことを思い出しました。

バンディはアメリカのシリアルキラーですが、幼少期から自己を能力以上に尊大に見せたがる傾向があり、自分の箔付けのために大学や所属組織を転々としました。

彼自身母親との関係に問題があり、それが大きなコンプレックスとなって最終的には殺人というアウトプットがなされたわけですが、私はここにのぶみ氏を近しいものを感じました。(※のぶみ氏が殺人を犯す、など犯罪危険性を示唆する意図はありません)

それはつまり、双方とも歪んだ母親コンプレックスのはけ口を女性に求めているのではないかということです。バンディが殺人で母親への怒りを解消していたように、のぶみ氏も自身の絵本を通じて「理想の母親」を作り上げることによって、幼少期に発散できなかったご両親へのストレスを昇華させているのではないでしょうか。

私もコンプレックスや叶わない幻想を創作活動にぶつけて昇華するのは好きですし、芸術ってもともとはそういうものだと思っています。ですが、描いている本人がそれを認識しておらず、歪んだ思想となって広められてしまっているというのは問題だと思います。

もちろん絵本も好きなのだと思いますが、今のお仕事の仕方や作品の内容を見るに、自己顕示欲とコンプレックスの発散としてのツールとして絵本という媒体を使っているようにしか見えません。

 

傷つく人が少しでも減りますように

ここまで長々と書き連ねてきましたが、結局先日Facebookに投稿していた、これがのぶみ氏の真意だと思うのです。

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彼にとっては絵本の内容が炎上することや、胎内記憶の存在、子どもの成長なんかはどうでもよくて、結論「過去の寂しかった自分を慰めたい」んだと思います。

絵本についておすすめする時、「疲れてる"ママ"ほど感動する」なんてレコメンドをしますか?絵本の対象って子どもじゃなかったでしたっけ?

それに、感動って「するよ」って制作者側が押し付けるものなのでしょうか。どこで感情を揺さぶられるかはそれを見る受け手の自由ですし、感動させることを目的としてつくられたものはどうしても打算が透けて見えて薄ら寒い出来になります。

 

のぶみ氏には、どうか早急に受信機を修理していただき、客観的に自分自身を見つめてみてほしいと思います。自分の発言や作品がどれだけの人を傷つけているか、今のままでは分かることはないでしょう。

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そして、「たくさん本を書く」より、熟考のうえで「すてきな本を書く」ことに注力されたほうがいいのではないかと感じます。学生ならまだしも、お金をとって販売する作品に求められるのは量より質なのではないでしょうか?『羊たちの沈黙』の著者トマス・ハリスのように、寡作でもファンが多い作家はたくさんいますよね。

 

これからも彼は活動し続けると思いますが、彼の発言や作品によって傷つけられる人や悩みを抱える人、または信者化する人が少しでも減ったら、いう気持ちで、今回この記事を書きました。

この記事は何か問題が起こらない限り、注意喚起を兼ねて半永久的にネットの海に漂っていてもらう予定です。ですので、追記すべき項目や「この記述はヤバイから変えとけ」などご指摘がありましたら、随時更新しますのでご連絡ください。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

 

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▼参考リンク

ーのぶみ氏について詳細に知りたい方は下記をご参照ください。

www65.atwiki.jp

ー胎内記憶業界の第一人者・池川明医師とのぶみ氏が語る「赤ちゃんが出産に至らない理由」(2019年8月16日追加)

 

▼更新について

2019年8月14日 公開

2019年8月16日 池川×のぶみ動画 追加

2019年8月23日 表記を少々修正しました。