じゅりーの迷える日々

解離性障害とともに生きているアラサーの雑記

【勧誘レポ】君は「ラエリアン・ムーブメント」を知っているか

お久しぶりです。じゅりーです。

先日、黒猫ドラネコさんにお誘いいただいた飲み会にて、お話しさせていただいた方に非常にウケたエピソードがありましたので記事としてもアップしておきます。

 

突然ですが、あなたはラエリアン・ムーブメントをご存知でしょうか?

「何だそれ?」「どんなモノか想像もつかない」という方がほとんどでしょう。かくいう私もその1人でした。そう、中野駅前でセミナーに勧誘される、あの日までは……  

 

※公開された時点において、この記事は「ラエリアン・ムーブメント」への批判ではなく、個人的な面白体験をまとめたものです。

 

※2022年7月20日  追記

社会的に高まっているカルト教団への興味から、この記事に辿り着いた方もいらっしゃるかもしれません。

前述の通り、この内容は筆者の個人的な体験記であり、同様の体験を推奨・賛美するものではありません。くれぐれも真似しないでください。

 

 

未知との遭遇

 

忘れもしない2016年4月3日…私は友人と2人で中野にある雑貨屋に買い物に行くため、JR中央線中野駅に降り立ちました。

中野ブロードウェイ」方面の中野駅北口から駅を出た途端、ふと目の前に、奇妙な着ぐるみが立っているのを見つけたのです。

オカルトマニアでありながらも、同時にゆるキャラなどカワイイもの好きでもある私は、腹部にダビデの星(六芒星)を持つ、その謎の着ぐるみに無邪気に近づいていきました。

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これがその当時の写真です。

スタンプで顔を隠していますが、表情はちゃんと再現できています。私(青い丸)は満面の笑みでしたが、友人(星)は既に何か不審なものを感じ取っていたのか、めちゃくちゃな苦笑いをしていました。

 

撮影のお礼をして、「そもそも初めに聞いておけよ」ということを、着ぐるみに同行していた写真を撮ってくれた男性に聞いてみました。

 

「これ、何のキャラクターなんですか?」

 

すると男性は一言、

 

エロヒムです!!!!!」

 

エロヒム?????

誇らしげな態度の男性とは裏腹に、私と友人は何の説明もなく全く知らない名前を出されて、ポカンとした顔をしていたはずです。

そんな間抜け顔の我々に、男性は「この後お時間ありますか?」「宇宙に興味なんてあったりします?」などと立て続けに、意気揚々と聞いてきました。

 

謎の着ぐるみ、ダビデの星、そして初対面の人間に対してこの熱量…ペロッ、これは宗教勧誘!!!!!

 

あまりの熱量に若干引き気味になりながらも話を聞いてみたところ、この子(着ぐるみ)は「エロヒム」という名の異星人で、今日は「日本ラエリアン・ムーブメントという団体の新規メンバー勧誘のために中野に降り立ったとのこと。

写真をお願いしたから「このアホは押せばイケる」と思われたのでしょう、夕刻に「中野サンプラザ」のセミナールームで世界、ひいては宇宙の真理に関するセミナーをするから来ないか?と熱烈にお誘いいただきました。

高校時代から、友人に来た宗教勧誘の誘いには煽り要員として毎度同行を求められていた私。もちろん参加したくないはずがありません。ただ、その時点での第一目的は雑貨屋での買い物だったため、チラシをいただいてその場を去ったのでありました…

 

謎の異星人に後ろ髪を引かれつつ雑貨屋へと向かいながら、もらったチラシを眺める私。

雑貨屋ももちろん行きたいけど、セミナーは確実に美味しい話のネタになる…そんな葛藤と心の中で闘いつつ、そこに書いてある「日本ラエリアン・ムーブメント」の文字をGoogleの検索窓に打ってみると…

 

ラエリアンムーブメント フリーセックス」

 

Free…Sex…??

こんなサジェストを見せられたら、雑貨屋へ向かう足も止まるというものです。

少し調べてみると、どうやらこのムーブメントの創始者「ラエル」氏が、過去にこのような発言を残しているそうなのです。

 

ローマ教皇だって、父親が母親のおっぱいで遊び、母親が父親のキンタマで遊んだから生まれた

 

表現はさておき、生物学的には当然のことですが…創始者がこんな発言をしていたら、たしかにフリーにセックスしていそうな雰囲気満載です。

さすがに屋外で発するには憚られるワードでしたので、隣を歩く友人にスッと検索画面を見せたところ…

 

「もう…アンタとならどこでも行けるよ」

 

という、アメリカのバディもの刑事ドラマのような台詞で、何も聞かずに参加の合意をもらいました。

かくして我々は強固な友情だけを武器に、「日本ラエリアン・ムーブメント」の勧誘セミナーに向かうべく、中野サンプラザへ向けて踵を返したのでありました。

 

いざ勧誘会へ

 

 ご存じの方も多いかと存じますが、中野サンプラザにはコンサートホールのほか宴会場やセミナールームなども備わっています。勧誘セミナーは、サンプラザ8階のセミナールームで開催されていました。

8階に到着して会場を探していると…ありました。中年の男女が数人、笑顔でこちらに手を振っています。部屋の入口には「日本ラエリアン・ムーブメント」の看板、エロヒムであろう異星人とUFOを模した工作。あ!これ、『X-ファイル』で見たやつだ!

 

ルーム内にはパイプ椅子20個程度とホワイトボードや、1970年代にフランスで創立された「ラエリアン・ムーブメント」が今までにどのような活動をしてきたかをまとめた資料の展示、またその時点ですでにフェイクであると結論付けられいてたUFO来訪の動画の流れる画面などもありました。

 

展示を見て回りたいところですが、まずはしっかりとセミナーを聞かないといけません。会場には私と友人のほか、50代とおぼしき女性がひとり。広告代理店の方、中野駅前に出稿する際の広告効果については検討の余地ありです。

 

さて、セミナーに登壇した男性の話を簡潔にまとめると、

 

・1973年のフランスで、ラエルという男性が「エロヒム」と出会い、この世界の真理を知ったことから生まれた活動が「ラエリアン・ムーブメント」。

・この世界で「神」とされているものは、実は異星人「エロヒム」。人間が「エロヒム」の概念を理解できなかったので、「神」という宗教的な存在とされてしまった。

・現在の地球上の生命は、25,000年進んだ科学技術力をもつエロヒムによって、科学的に創造された。

・アダムとイヴは、エロヒムの創造した「試験管ベビー」。

・そんな知的で進歩的な異星人を地球に迎え入れられるよう、地球に大使館を作るのが我々の使命。

 

などなど、不勉強な私には目から鱗の人類創生物語を聞かせていただきました。

ちなみに、この解説の途中に新しく40代程度の男性が入ってきたのですが、その方が登壇者が何か言うたびにホーキング博士はそんなこと言ってない!!!!」と絶叫するスティーブン・ホーキングガチ勢だったため、彼の参加によって平和なセミナーは一気に地獄の様相を呈したのであります。

 

その後会員の方たちと雑談をしつつ展示を見せてもらいましたが、アフリカに作った病院ではFGM(女性器切除=女子割礼)で切除されたクリトリスの再建手術をしたなど、たしかに異星人ではないとできないような所業が多々紹介されておりました。

※真偽についてはもちろん不明です。

 

また、(セミナーは4月3日だったので)3月30日には地球に大使館を作るため、国連総長に手紙を出したのだというお話も聞かせていただきました。その時は思わず「ただでさえ忙しいのに、パン・ギムンも大変ですね」と率直なコメントをしてしまいました。

 

トランスミッションへの誘い-そして私は奇跡を見た-

 

さて、一通り展示を見て終わると、リーダーであろう男性がこう聞いてきました。

 

トランスミッションを受けていきますか?」

 

トランス…ミッション…?

車のパーツの話?それとも、「ラエリアン・ムーブメント」では「フリーセックス」のことを「トランスミッション」って呼ぶの…?

 

恐る恐る「トランスミッションって何ですか?」と聞いてみると、どうやら1年に4回しか実施されない非常にスペシャルなイベントらしく、その「トランスミッション」を受けるとエロヒムのいる惑星に私のDNA情報を送信することができるそうなのです。すると死後、そのエロヒムの住む惑星に転生し、性別も死の概念すらもない、完全な生命体として生き続けられるのだそう。

より詳細に知りたい方はぜひ公式サイトをご覧ください。ただ、上記の私の説明が一番分かりやすいです。

 

www.raelianjapan.jp

 

トランスミッション自体は入会しなくても受けられるとのことだったので、好奇心で受けてみようかと「どうやってDNAを送信するんですか?」と聞いてみると、「(リーダーであろう男性が)私の額に手を当てて、エロヒムと交信する」と。

 

え…それだけ⁉そんなお触り程度で永遠の命を得られるなら安いものです。

「すごいですね!それだけで私の情報がすべてエロヒムに送られちゃうんですか?」と、トランスミッションされる気満々になっている私でしたが、

 

「いえ、その後申込書にお名前や住所等ご記入いただきます。」

 

うん、そういうことになるよね!!

さすがに異星人に個人情報を渡すのはちょっと抵抗感が…ということで、残念ではありますがトランスミッションは辞退させていただきました。

が、ここで思い出していただきたいのです。セミナーを最初から聞いていた私と友人、そしてもう一人、50代とおぼしき女性の存在を…!

 

トランスミッション、受けます」

 

セミナー中あれだけ騒いでいたホーキング博士ガチ勢おじさんが誰にも気づかれないまま帰っていき、私もトランスミッションを断り、じんわりと居心地の悪い雰囲気が室内に漂い始めたとき、そんな声が聞こえました。

 

このおばさん…正気か!?

 

「私が断ったの見てなかったの?個人情報も書かないといけないんだよ!」と心の中では反対しつつ、からだうらはら…二ヤつく口元を抑えられません。

あの説明で本当に感化されてしまったのか、個人情報の取り扱いに関心がないのか、もしくはラエリアン・ムーブメント」側で仕込んだサクラなのか…?

さまざまな思考が脳内を錯綜する中、私の目の前でその女性の額にリーダー男性の手が添えられます。どうなるんだ…!

 

「さて……どう、ですか?」

男性が彼女に尋ねます。目の前で宇宙への交信(だと言われるもの)を見た今、私も奇跡の目撃者のひとり。

トランスミッションされた彼女がどうなるか、最後まで見届ける義務がある…!

 

そしてその後彼女が発言した一言で、私の脳内で考慮されていたあらゆる可能性は、一気に否定されたのでありました。

 

 

「あ…冷え症が治った気がする!!!」 

 

 

???????

私と友人、「日本ラエリアン・ムーブメント」側の皆さんも含め、1分ほど誰も一言も発することができませんでした。

ど、どういうこと…?

不安に駆られる私…いや、おそらくその場にいた全員が同じ感情を共有していましたが、あまりにも真面目な顔で女性が訴えているので、おそらく当人は本気。笑うのは失礼だと我慢しましたが、その後のリーダー男性の

 

「そ、そういう効果もあるかもしれませんね…?」

 

の言葉にさすがに耐え切れず、笑いを堪えながら足早に会場を後にしたのでした。

こうして、私の異星人「エロヒム」との遭遇は平和に幕を閉じたのでありました。あの日中野でお会いした会員の方々、大変お世話になりました。

 

おわりに

 

このお話を飲み会でしたところ、『かみさまは小学5年生』で一躍著名人となった「すみれちゃん」のウォッチャー・慈愛の塊さん曰く、近年の「ラエリアン・ムーブメント」では団体内でのフリーセックスは推奨されていないとのこと。衛生的にも倫理的にも好まれる仕組みではなさそうなので、ひとえに喜ばしいことに感じました。

「日本ラエリアン・ムーブメント」公式サイトの情報によると、日本には現在約6,000人の会員がいる模様。日本各地に支部があり、実際に活動をしているのは600人程度とのことです。どんな団体も、メンバー全員が同じ心持ちで活動しているということはないのだ、と感じさせられます。

 

※2022年7月20日 追記

イベント等も定期的に行なっておりブログ更新も活発ですが、コロナ禍においては「反マスク」「反ワクチン」を掲げています。内容については熟慮のもとで触れてください。

 

腹部に六芒星を持つ、知的で進歩的な謎の異星人「エロヒム」。もしかしたら次は、あなたの街に現れるかも…?

 

ではでは、またお会いしましょう!じゅりーでした。

 

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■備考

2022年7月20日:内容を少々修正しました。